「より最小限の部材による建造物」というエコ建築概念を世界で初めて提唱したバックミンスター・フラー(1895~1983)という建築思想家をご存知でしょうか。

 まさしく建築版SDGsも言うべき壮大な哲学の持ち主であったフラーは、時代を先取りした学者の一人として昨今脚光を浴びています。医療の世界に入る前、大学で建築を専攻していた私は、フラーという名前だけは知っていましたが、まさか今になって彼が残した構造理論と医学が結びつくことになろうとは…。

 人体の骨格モデルは圧縮と張力(重力と抗重力)の絶妙なバランスで立位を保持しており、このような収縮と抵抗の均衡はテンセグリティモデルと呼ばれます。これは前述したフラーが提唱した構造概念で、必要最小限の圧縮材と張力材による重力拮抗モデルです。Youtubeで「テンセグリティ」で検索すると多数の動画がご覧いただけます。

 ただ人体骨格においては圧縮材同士がかなり近接していますので、フラーが定義した厳密なテンセグリティと言えるかどうかは微妙です。なのでより正確には「テンセグリティ近似モデル」と呼称したほうがいいかもしれません。

 ちなみに脳科学においても、ヒト大脳皮質はスケーラブルなテンセグリティ構造であると指摘する学者がおり、さらに細胞骨格も実はテンセグリティ構造を持っていることが分かっています。

 こうしたテンセグリティの一翼を担う骨の発達は重力を含め外部からの刺激強度に依存することが分かっています(Wolffの法則)。

 骨や軟部組織の研究によれば、転落や事故など大きな外力が加わると組織の電気伝導率が変化することが報告されています。たとえば骨は曲げられたり、圧力が加えられたりすると優良な伝導体としての性質が失われ、抵抗器に変質してしまいます。

 このように障害を受けることで電気伝導率が変わる構造は圧電構造と呼ばれており、1840年代に折れた骨に対する電流や磁場を使った療法が適用されて以来、現在に至るまで運動器に対する物理療法は様々に進化し、発展を遂げてきました。整形外科や接骨院ではそうした電気治療器がよく使われています。

 こうしたなか近年における圧電構造の実験によって、骨折患部への人の手によるタッチングが電気伝導率を変えることがカナダで報告されています。

 当院では骨折を含めあらゆる急性外傷に対して、特殊なタッチングを行うことで超早期の回復を実現しています。まずは下のビデオをご覧ください。

1分半ほどの動画です

 さらに当院ではアーシングタッチを行っており、組織回復に不利と言われている過剰な表皮帯電(余分な静電気)を除去する施術を採り入れています。→アーシングタッチの解説ページ

1分ちょっとの動画です

 元来ヒトの手によるタッチングにはクロスモーダル効果(痛みと触覚に対して人間の脳は“触覚”を優先させる)&オキシトシン分泌という、最強タッグによるダブル除痛効果が包含されます。これについてはこちらのページ(リングタップ)をご覧ください。