数日前、ある感覚に突然襲われました。
それは「焼き芋とチーズをいっしょに食べたーい!」というもの。
意味不明ですが、こういうときは自らの五感にしたがうのが信条。
さっそく近所のスーパーで焼き立てホッカホカの焼き芋と
カマンベールを購入。
この組み合わせで食べたら、あらびっくり!
ホントに美味しい!
その日の昼食は食前に摂ったフルーツ(キウイ)と
塩麹の漬物とキャベツのみじん切り、
それにさっきの焼き芋とチーズ、
そしてドライフルーツ(あんずとプルーン)。
1日1食の私にとって、これがその日に口に入れた食べ物のすべて。
寒い季節はもっと食べますが、
暑くなるにつれて徐々に食べる量が減ってきます。
『人間の代謝エネルギーは外気温と体温の差を埋めるために使われる。
よって外気温が下がれば、たくさんカロリーを摂る必要があり、
外気温が体温に近づいてくると、消費エネルギーが減るので、
摂取カロリーは控えめでいい。
だから、酷寒の地に暮らす人々は動物性食品中心の高カロリー食になり、
温暖な地に暮らす人々は野菜・果物・穀物中心の低カロリー食でいい。
日本のように、季節によって外気温の差が著しい土地では、
季節つまり気温によって食生活を変える、
と言うか、自然と“変わる”のが理想的な食のスタイル』
これが私の五感力が出した、私にとっての、私個人の答え。
万人に当てはまるかどうかは?
人間のからだは千差万別、多種多様だから…。
ただ、少なくとも私のからだに関して言えば、
夏になると食欲が落ちる。
これは当然の帰結。
体重がダウンするのも当然。
秋になったら、食べる量も増えて、多少脂っぽいものも摂って、
皮下脂肪を蓄えて、体重も戻り、そして寒い冬に備えます。
世の中には、私と似た身体を持っている人が、きっといるはず…。
ところが、現代社会は人々が食べることで経済を廻すシステム。
1日3食食べなさい、食べないと病気になる、食べないと体力が落ちる、
という呪文を植えつけることで、世人を洗脳し、
1年を通して、経済が廻る仕組みが巧妙に作られている。
江戸時代の夏、うなぎのような脂っぽくて高カロリーのものは、
自然と誰も食べようとしなかった。
うなぎ屋は夏になると閑古鳥…。
そこで、平賀源内が知り合いのうなぎ屋の力になろうと、一計を案じ、
丑の日には「う」の付くものを食べると夏バテしない、
と喧伝し、そのキャッチコピーが広まることで、
夏のうなぎ屋を助けた。
うなぎは冬眠前に、その身に脂を蓄えるため、
初秋から冬にかけてがもっとも美味しいのに、
以後、暑い季節の、たいして脂の乗っていないうなぎを食べる習慣が定着した。
要するに、バレンタイデーのチョコ
(お菓子業界の思惑で作られたイベント)と同じ…。
ということを知っている、
あるいは感じている日本人は少ない…。
夏に食欲が落ちるのは、自然のことなのに、
五感力が退化して、理屈人間だった、かつての私は
「夏バテしたから食欲が落ちた」と
勝手に思い込んだ。
で、食べた。
夏の胃腸は基本的に休みたがっているのに、
食べ物-しかも鰻のような脂っぽいもの-が、どっさり入ってくる。
胃腸は嫌がる、悲しむ。
代謝機能がさらに落ちる。
理屈オンリーだった私は、また夏バテしたと思い込んで
さらに食べようとする。
頑丈な内臓を持っていれば、
それでもなんとか持ちこたることができたでしょう。
でも、私は“持っていなかった”…。
いろいろ試してみたけれど、最後に辿り着いたのは断食。
断食によって、内臓は回復し、感じる力も蘇った。
夏に補給すべきは、カロリーではなく、
良質な水分(砂糖入りのジュースなど論外、もってのほか)、
そして良質な塩分(精製された食塩ではなく、自然海塩や岩塩)。
身体が喜ぶもの…。 悲しむもの…。
その違いを感じることができるようになってきた。
This is “五感力”
昨日の朝、目覚めたての布団の中で、
こんな五感の話をブログに書いてみようかな、
なんてイメージしていたら、
テレビ(NHKのあさイチ)から聞こえてきたアナウンサーの声。
「つくば市の美味しい焼き芋屋さん…」
なぬ?焼き芋?
なぜ今?この時期?
さつまいもの旬は9月以降だろうに…。
待てよ。
旬じゃないにもかかわらず、
俺はここ2日間続けて焼き芋を食べてる。
夏に焼き芋を食べたくなるなんて、あまり記憶にないこと…。
そのタイミングで、休日の朝、テレビから焼き芋の話題。
これは何かある。
もしかして宇宙からのサイン?
で、パジャマのまま、テレビに釘付け。
内容は茨城県つくば市の特集。
ロボットやパンやラーメンの話題。そして焼き芋。
焼き芋のために品種改良した美味しい芋を、壺で焼いているらしい。
店主はロマンスグレーの口ひげを蓄えた仙人のようなお爺さん。
リポーター役のタレントが、その焼き芋を美味しそうに食べてる。
う、うまそー。
食いてー。
じゃ、行くか。
でも、家内は焼き芋に関心なし。
番組内で紹介された別のラーメン店に行きたいらしい。
いずれにしても、今日の予定は決まり!
いざ、つくば市へGO!
ん?つくば市?ってことは筑波山がある…。
そう言えば、この前、茨城で開業しているT先生からのメールに、
「筑波山はパワースポット」
という記述が…。
どうせつくば市に行くなら、パワースポットに足を伸ばそう!
で、来ちゃいました。天気悪いのに…。
下の写真は、筑波山神社の入口近辺から見た景色。
時折小雨がぱらついて…。
いつ本降りになってもおかしくないような天気。
風も強いし…。
ところで筑波山は筑波山神社の境内なんだそうです。
すごいですね。山そのものが神社ってことですもんね。
鳥居をくぐって、本殿に向かう前に、樹齢800年の大杉にごあいさつ。
紫峰杉という名があるそうです。
とても荘厳な大木。
家内は木とお話しができるらしいのですが、
私はパワーをいただくことしかできません。
まず、自分の住所と姓名を名乗り、少しだけ“気”を分けて頂いてもよろしいですか?
と、語りかけ…。
なんとなくOKサインが出たような気がしたので、
そのまま木に抱きついて、額を押しつけて、エネルギー充填…。
なんて温かい木肌。すごく気持ちいい。
「ありがとうございます…」
20分くらい、抱きついていました。
このあと、本殿に参拝し、ケーブルカーに。
こちらが運転席からの眺め。
いざ、しゅっぱーつ。
こんな天気なので、乗客は私ら夫婦だけ。貸し切り状態。
けっこう揺れる。
森の中を、ぐいぐいと進んでいく。
でも、なんだろう?この感覚?
何か不思議な感覚。異次元の世界に入っていくような…。
たとえるなら、「千と千尋の神隠し」の冒頭シーンで、
千尋の乗る車が、近道しようとして、
森の中の狭い道を走っているときの、
車窓からの景色が流れていく…あの場面。
何かに突き動かされるまま、車窓からの景色を撮ってみると、こんな感じ。
そして、このあと、ホントにトンネルが。
ケーブルカーがトンネルに入ると、何とも言えない冷気を感じ…。
これじゃ、まるであの映画と同じじゃないか…。
やべ、ホントにこのまま神様の世界に入っちゃうかも?
頂上に着いて、もし食堂や売店があっても、
絶対に何も食べないぞ!
千尋の両親のようにはなりたくない…なんてね。
頂上に着くと、そこは雨雲の中。大嵐。
傘を差したら、あっという間に「バキッ」と折れ曲がり…。
当然ながら眺望は一切拝めず。
駅を降りて、目の前にある売店に駆け込むと、
カエルの置物や駄菓子などが並び、なんかレトロな感じ。
レジの奥にある厨房では、鍋が並んでいて、湯気を上げてる。
店員は見当たらない。
なんか、これって、マジであの映画のシーンとそっくりなんだけど…。
食べたいのをグッとこらえて、退散。
頂上付近は、もしかしたらという期待も虚しく、
予想以上の悪天候。
ここは男体山の頂上なので、数十分ほど歩いて、
となりの女体山の頂上に行き、
そこからロープウェイで下山しようと思っていたのですが、
この嵐では無理。
仕方なく、帰りも同じケーブルカーに乗って、戻ることに。
で、再びケーブルカー。
なんで、また同じ写真?
いやあ、これって、カオナシと千尋が乗った、
あの電車と雰囲気が似てる気がして…。
側面の窓の形状や色なんかは、違うけど…。
ケーブルカーを降りて、神社を出て、駐車場に辿り着いた時、
もし映画のラストシーンと同じように、
私の車に、たくさんの落ち葉が積もっていたら、どうしよう、
なんてね、そんなこと絶対あるわけない、いくらなんでも。
ところが、戦慄の光景が!
なんと、ホントに落ち葉が…。
ウソです。
ごめんなさい。びっくりした?
冗談はさておき、
実はケーブルカーを降りた後、神社本殿の前を通りかかった時、
本殿の裏手にある小さな階段が目に留まって、
「呼ばれてる」
そんな気がしたんです。
足が勝手に進んでいく感じ。
「御神水」の脇にある階段を上ると、朝日稲荷があって、
さらにその奥に進んだところ…、そこで足がすくんで、
動けなくなりました。
何だろう?この感覚。
ちょっと今までに感じたことのない不思議な空気感。
なんかよく分からないけど、その場でじっと立ちすくんでました。
10分?それとも20分?
時間の感覚がなくなってしまって、よく覚えていないんですが、
携帯に、家内からの着信があり、ようやく我に返ることが。
夢中になっていて、家内のことをすっかり忘れてました。
「駐車場で待ってます」
というメール。
車に戻ると、むくれた表情の家内が、傘を差して立ってました。
「もう!どこに行ってたのよ!急にいなくなっちゃって…」
「ごめん、ごめん…」
さて、不思議体験の筑波山神社をあとにして、
向かった先は、本日のメインイベント!焼き芋屋さん!
お店に到着すると、テレビに出ていた、
あの仙人のようなお爺さんが目の前に。
「今日は定休日なんだけど、今朝NHKから連絡があって、
『本日は休み』という案内が、放送の都合でカットされてしまって…。
で、急きょ、お店だけ開けることにしまして…。
なので、焼き立てはないんですよ。
冷蔵の焼き芋、“冷し芋”でよければ…」
いやあ、助かりました。
もし、お爺さんが機転を利かして、お店を開けてくれなかったら、
わざわざ来て、あら定休日だったのね、とガックリして帰ることに…。
こちらとしては、「冷し芋でもなんでもいいです。ください」の心境。
で、買っちゃいました。
その現物がこれ。
下が、いっしょに頂いたショップカード
翌日、職場で食べたんですが、ホントに美味しい!
これは究極の冷し系スイーツ!
冷蔵庫から出した、そのままで、めちゃくちゃ甘くて…、
“冷やし芋” これは大発見です。
夏の新たな定番になるかも。
さて、次に向かう先はいよいよ家内のお目当て、
例のラーメン屋さん。
ところが、その店は14時に閉店になることが
このときになって、判明。
今からでは間に合いそうにない。
家内はガックリ。
完全にむくれちゃって、ご機嫌ななめ。
神社での、千尋ならぬ “敦士の神隠し” が仇になった形。
「じゃ、どっか別のラーメン屋さんに行く?」
「いい…、いらない」
「んじゃ、昼飯はどうすんの?」
「いらない」
こうなると、もうお手上げ。
最近は、家内まで1日1食になってしまったので、
その1食が思い通りにならないと、余計に落胆が激しいらしく…。
神社での一件(夫が突然いなくなる)のようなことは、
けっこうよくあることなので、
家内には免疫がある…
と、私は勝手に思っていますが。
夫の失踪癖については、彼女なりの諦観がある…。
なので、そのことが尾を引いているわけではなく、
純粋に “食べられない” という、そのことが悲しかったんでしょう。
むくれた家内が発している波動は、
『となりのトトロ』の、メイちゃんと同じ。
入院中のお母さんとの再会(一時帰宅)を楽しみにしていたメイちゃん。
ところが、体調を崩して叶わないことが分かり、
サツキ姉ちゃんから、それを説明されても、受け入れることができず、
トウモロコシを抱いたまま、すねて泣くだけのメイちゃん。
むくれる家内に、
「おまえはメイちゃんかー」と、内心ツッコミを入れる私。
そこで、一計を案じ、
「んじゃ、こういうのはどう?
大宮に戻って、そごうのレストラン街にある寿司屋さんで、
生ビールなんて、どう?」
すると、パッと表情が明るくなって、
「うん、いいよ」
メイちゃんのご機嫌、無事回復!
最近、下戸だった家内が、ビールの味を覚え、
たまに飲みたいと言うようになっていたので、
どうやら、これがツボにはまった様子。
ラッキー!
ところで、このあと(正確にはこの翌日)、私に何が起こったか?
大杉のおかげ?それともケーブルカー?
何かに導かれるようにして行った、あの神秘的な空間?
いずれにせよ、筑波山の神様のおかげだと思っていますが、
すごいインスピレーションが湧いてきたんです!
将来、私が上梓するであろう本「五感力」の核心部分が
ついに明確なものに。
頭の中では、そのストーリーがようやく形になりました。
あとは文章にしていくだけです。
もっとも、それがけっこう骨の折れる作業なんですけどね。
どうやら焼き芋というキーワードは、
私を筑波山へ向かわせるための“エサ”だったような気が…。
神様は、まずT先生に働きかけて、
「筑波山はパワースポット」というメールを送らせ、
次に私の内臓に働きかけて、季節外れの欲求をおこさせ、
そのタイミングで、テレビを観させ、
筑波山に連れて行った。
なんか、そんな気がしてなりません…。